-ガイドライン

何らかの案件の実施に取り組む集団には、集団内において何らかの前提了解事項や暗黙知が期待されることに疑問が無く、おそらく集団に適用すべき規約ないしマニュアルが必要なことは公理です。
その規約は個別要件について丁寧に書かれているべきで、予測される細かな意思決定の連続がその規約に従って自動的に運用されるようになるのが望ましいでしょう。自動的でなくともある程度の判断の制限事項が示され、推奨される方法について示唆されているべきです。規約は丁寧に作りこめば作りこむほどよさそうですが、それは同時に特殊化の度合いを深め、一般的には用いることができなくなってきます。これもまた真理であれば、つまりは集団/案件ごとに規約を準備することが必要です。この定理は世の中の事象の全部に適用されることでないとしても(私は概ね全部に適用されると思っていますが、ここが論点ではないので考察や断言を避けておきます)、すくなくともあるひとつのシーンでは間違いなく適用できそうです。
それは、ソフトウェア開発の現場です(これもまた、丁寧な考察なくとも真と推定しましょう)。ソフトウェア開発ではその要件や仕様、開発主体、アーキテクチャフレームワークスタック、テスト手法、リリースポリシーなどなど、いろんな局面で案件毎の特殊性があります。これらに万能に応える一冊のマニュアルは多分用意できないし、用意したとしたら役に立たない可能性が高そう。そこで今、変わった仕事をしていて、それはありていにいうとガイドラインを作るものです。そのガイドラインは上記のソフトウェア開発現場における規約制定のガイドラインで、案件毎のマニュアルに比して、メタマニュアルと位置づけられるものです。具体的な規約をつくるためでなく、規約をつくるための規約、まあ憲法みたいなものですね。そんなコンサルティングを請負ってます。


というところで、だ。ここまで枕です。そんな環境に置かれた私は考えました。Seasarファウンデーションの立場でいまこそガイドラインを書かねばならないのではないか?ということです。内容はOSS開発コミュニティの円滑な運営を行うためのマニュアル制定に関することで、私の書くガイドラインの対象読者はSeasarファウンデーションの傘下OSS開発プロジェクトのリーダです。具体例にはひがさん(Seasarプロジェクト)と二川さん(The Ashikunep Kotan)。それぞれのリーダー自身がガイドラインを読んでマニュアル書かなくてもいいですが、少なくともそれをお願いされた誰かが書かないといけないかなと。思い立ったら吉日、鋭意やりましょう。今までだったらそのマニュアルを書かないといけないのが私だったところ、NPOとOSS開発コミュニティの分離を行った今、私は管理督促する立場であって、執行する立場では無くなりましたw。
この思い付きの恐ろしさは、ここに議論の余地はないということです。ガイドラインやマニュアルの中身についてはそれぞれの影響範囲に応じてより多数の方々のコンセンサスが必要ですが、ガイドラインを用意して、それにしたがってマニュアルかいてちょうだい、ということは押して実行すべき性質と判断しました。個人的決断ですがこれはNPO的決定事項として周知してもらいたいと思います。マジです。いままでSeasarは決まりも無くその場その場で理事判断がありました。でもそれはしんどい。慣習的にMLにて申請するルールは存在しますが、体系的かつ網羅的にそれらルールが編まれたことは無いのです。それは如何なものでしょうか?
そんな時、調査機関G社によって得られた参考文献リストは以下です。

これをパクりますこんなのを作ろうと思います。ということで、待て次号。