-IPA千葉未踏成果報告会(2)

http://www.mitou-chiba.org/
9月7日(金)の朝から晩までやる千葉未踏成果報告会は成果報告会の名を借りた情報技術カンファレンスになってます。午後一番のセッションは以下の内容です。

本プロジェクトは、もうすぐリリースされる Ruby 1.9 に導入される YARV: Yet Another RubyVM の品質を向上することを目標としています。Ruby 1.9 では、以前より笹田が開発を進めてきた YARV を導入することが決まりました。しかし、リリースするためにはデバッグ機能などが足りませんでした。そこで本プロジェクトでは、Ruby 1.9 としてリリースするに足る品質に到達するために開発を行っています。また、そのほか高速化に関する工夫なども行っています。
本発表では Ruby 1.9 はこれまでとどう違うのか、開発者の視点から解説します。また、近年とくに注目されている「エンタープライズの現場としての Ruby」が、今後どのようになっていくのか、 Ruby on Rails の普及や Ruby 1.9 のリリースなどの要因を踏まえて、Ruby に注目している企業の方々をお迎えして予測してみようかと思います。
「これからの Ruby」に興味のある方はお見逃しなく。

YARVはすでに公知となっているとおり、次期Rubyの実装です。ありていに言うとそれまでの「マツモトサンRuby」を速くするために手を尽くしたものらしい。技術的な本質については私は詳しくないので、正確なところは成果発表を聞いてください。スレッドモデルだとかガベージコレクションがどうかとか、ロックがどうこうとか。このプロジェクトは昨今のRuby大流行の前からコツコツ行われていたもので、笹田さんの未踏本採用2回+未踏ユース採用、まつもとさんの未踏採用と、IPARubyの本体に断続的しかし長きにわたる支援をしてきています。周辺ではBioRubyほか多数のRubyベースプロジェクトが千葉先生ほかにより採択されています。もうね、国策ですね、これは。そんな栄えあるRubyのおそらくIPAファイナルとなる大発表がコレです。正統はこの発表で、他でやってるのはゴシップですw。
特別講演では笹田さんがスゴイ面子をそろえてきました。特に運営サイドからの希望もあり、Ruby(必ずしもRailsでなく)を産業界から支える重鎮達に調整くださいました。Ruby軍団の本気度が伝わります。私が世に放つ草のモノの報告では、特別講演に登壇の角谷さんは「罰ゲーム」とか周囲に漏らしているそうな。。。コラ!w。Ruby目当ての参加者も、そうでない人もすべて、角谷節で染め上げてください。


次は、今回成果報告会ではやや異色。しかし実は群を抜く超大物プロジェクトの、ウェアラブルコンピューティングについて紹介します。