-三方良し

近江商人の家訓として「買い手良し、世間良し、売り手良し」の「三方良し」が知られる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E6%B1%9F%E5%95%86%E4%BA%BA

SIerがOSSで、的確なOSSを見つけ出したり、ライセンスに専門的な知識を持って対応したり、早期安価なソリューションを行うのは近江商人が鎌倉-江戸期より言うところの「買い手良し」「売り手良し」というところでしょう。需給の両端はそのトランザクションの結果お互い価値創造を行う。少なくとも満足度を高める。しかしそこには三方のひとつたる「世間良し」が欠けがちなのではないでしょうか。トランザクション当事者のみならず、トランザクションそのものならず、とりまく市場や環境に配慮した考え方です。海外の優秀なOSSをダウンロードして、ファーストステップドキュメントやメッセージを日本語化することを別にすると徹底的なフリーライドを行っている、日本の輸入超過なソフトウェア消費の傾向では、Interface21とOpenLogicの論旨対立などごくごく小さな差異でしかないでしょう。Interface21は入会地における環境問題を主張し、OpenLogicはトランザクション第三者であったOSS供給者を当事者に加えた市場を形成しようと努力している。彼らはOSSにおける近江商人の先達であって、すでに具体的な問題のレベルにまで議論を落としこめています。一方で刈り取り次第に環境破壊を行うSIerの多いこと。
自動車メーカーや化学会社が森林や土壌の問題に取り組むように、SIerやIT企業は資源たる森のOSSおよびその育成土壌たる開発コミュニティの問題を共有して取り組むべきなのではないでしょうか。「世間良し」と見えないからうまくいかないってこともあるんじゃないかな。


あと、順番も1)買い手、2)世間、3)売り手なんだよね。家訓では。