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iPhone 衝撃のビジネスモデル (光文社新書)

iPhone 衝撃のビジネスモデル (光文社新書)


読後。。。この本、どうかなぁ。読みやすいし分析もクリアで悪くないんだけど、700円払って読むほどかなぁと。新しい知識が得られたわけではないので点も辛くなる。しかし、ひとつ読んでよかったと思ったのは最後の章で、Apple-Jobsを引き合いにして、グランドデザインを描ける人材がいかに世に少なく、また、グランドデザインが力を持っているという内容があり、がんばろうと思った。私のミッションのひとつにこのグランドデザインを引くことがあって、代表取締役としてのグルージェント、代表理事としてのSeasarファウンデーション、そしてAshikunepのことがあって、ほかにもいろいろ未来図を求められて描くことがあるんですが、毎日日常的に、本当にアイディアって出てこないものだなぁと思います。自分はそれでもやれているほうじゃないかな?と自負したくなる時もあるけど、それぞれどうも絵としてまとめきれず、まだまだですね。自分で自分にダメだししちゃう。
その昔、2001年初ぐらいに、アスキー創業者(当時副会長だったかな)の西和彦さんに事業アイディアを売り込んで(?)、数ヶ月結構な頻度でミーティングをしていたことがあったのですが、そのときに印象深かったことのひとつとして「若いんだからもっとアイディアだしなよ。僕(西さん)なんか今でも毎日10個ぐらいは事業プランを考えているよ」なんて。当時は何いっとんだこのオッサンぐらいに思ってたけど、だんだんあの時言ってたのは戯言じゃなかったんじゃないかなと思うようになってきました。その後、いろんな大物にも、会うだけのチャンスぐらいなら結構あったけど、そういった点では感銘受けることは少なかった。やっぱりJobsはさらに凄いんですかね、でも写真しか見たこともないのでわからない。身近なところでは羽生さんにそんな瞬間があるようにも思います。
同時に、このグランドデザインには、デザイン能力だけじゃなく、猛烈な実現能力が必要で、それは自分のデザインを盲信して狂えるバカっぷりが必要なんじゃないかなと思います。最近流行の言葉としては、鈍感力とかスルー力とか言ってもいい。中途半端に物事わかってるようなのでは物事を成功させることはできず、よっぽど突き抜けて天才的なのかはたまたバカじゃないと。だって、なかなか練りきれないグランドデザインで結構な札を貼っちまうんだから、超臆病な末の確信か、蛮勇なのか。あのオッサンはこっちも突き抜けてたみたい。私にはデザイン能力以上に、こっちが無い。
プログラムがどうかとか、開発手法がどうのとか、他人の発想を捉まえて、ビジネスモデルは云々なんてのは、ことグランドデザイナーとしては一生どうにもならんのじゃないかと思います。シンプルに美味かったり、エロかったり、笑ってしまったり、わがままだったり、大事なのはそんなもんかなと。賢いふりはやめたほうがいいかもね。そして量産ですか。
ちょっと投げやりに。。。そう思った。ということで、長くなりましたが、この本は買わなくていいと思います。私にとっての収穫は、過去を懐かしんだだけだったので。もちろん情報はきちんとまとめられているので、読んでためになる人もいるとは思いますが。