-左馬助読後

http://d.hatena.ne.jp/masataka_k/20070425/1177481184
読み終わりました。GW前半は遠出もして連続した時間はありませんでしたが、厚さの割にさらっとした作風ですらすらと。これは前2作を読んだ人が惰性で読むものであって、単品でどうのこうのという内容でもレベルでも無いように思います。専門家等の批評を待ちたいところですが、著者のキャリア上でもさほど要らなかった作ではないかな。
目次で本能寺の章がほぼ最後に配置されている時点でどうかなと思っていたのですが、やっぱそうか、池宮彰一郎「本能寺」と区別がつかんと。しかし、光秀の動機が池宮創作に比べて格段に弱いんですよね。著者創作の秀吉の悪さも前2作とちがってさらっとしか出てこない。一方であらためて第1作「信長の棺」はおススメしておきます。また2作目「秀吉の枷(上)(下)」のほうも無駄に長い部分もあるけどおススメ。しかし第3作はおススメしない。個人的にあって欲しかった像を考えると、本能寺の後に、左馬助を生きながらえさせて、豊臣氏を滅亡させるまでやってほしかったな。せっかくここまで悪役を育てたんだから、最後に善玉?として左馬助登場でOKだったように思います。表題の「恋」も老人くさくて陳腐に思うんだよね。これなら「恋」より「鯉」のほうがよかった(駄洒落じゃなく本当に)。