-ITとSI

SeasarConの会場下見に終わって後だったけど、合流。アフターの打ち合わせだけ参加しました。その後、びぎねっと宮原さんと2人サシで飲み。渋谷の沖縄料理屋さんで四方山話を。話題の途中でネタ振りがあったんで、IT企業とSI企業の比較論を話したところ、納得性があったようでした。
一緒くたにIT業界とかいうけど、本当はITとGIとSIとSSなのです。インフォメーションテクノロジーでメシ食う企業と、ゼネラルインテグレータとしてメシ食う企業と、システムインテグレータとしてメシ食うの、さらにはスタッフサービスでメシ食うのと。これを建築土木の世界に対比すると分かりやすく、箱物アミューズメントとゼネコンと町の工務店と人足の手配師です。箱物アミューズメントたるディズニーランドは建造物を活用するビジネスモデルだし、ゼネコンは大規模なデベロップメントのファイナンスを支えて業界の仕組みを作ってる。実際にコンクリートを塗ったり、大工仕事をするのは町の工務店で、場合によっては飯場に人足をどかっと入れるヤクザがいるということで。もしくはディズニーランドのトイレ掃除にアルバイトを押し込む会社とかね。
ITがあるからこそ成り立つビジネスとしてディズニーランド型のカテゴリーがあって、IT長者とかちやほやされて世に受けているのはこれです。一攫千金なギャンブルビジネスではあるけど、華やかなりしことは違いない。一方で業界の癌のように悪口を言われてかわいそうなのが俗にNFHIなどと言われるゼネコン。さらにはいつまでたっても貧乏な町の工務店、搾取的な仕組みで社長は馬主になっちゃたりするけど現世に地獄をもたらす技術者派遣会社。しかしITっていいよねとここで思い込んだらバカ丸出しです。ディズニーランドは一つしかなく、箱物アミューズメントなんて軒並み閑古鳥鳴いてるでしょう。
実は、業界総和としての幸福を目指すなら、悪の権化たるゼネコンの改革かと思います。だって、ここにはとてつもなくデカい雇用吸収力がある。たとえば弊社グルージェントは仕事は職人のギルドみたいなもんだから、好きな人には相当面白いことできると思うけど、近日では適正人員まであと1人か2人程度です(面接はするけど、申し訳ないが先月までと違って、来るもの拒まずとはいかない)。宮原さんのところのびぎねっとも相当破天荒で面白いと思うけど、およそ数人の上乗せしか雇用吸収力はないでしょう。特に戦略も無いのに新卒を100人とか雇えるのはゼネコンだけなんですよ。というところで、最近面白いのはゼネコンからコンサルとして招聘されることが、1件たまたまでなく、連続して同じような問題意識のもと、引き合いがあったことです。宮原さんもそういう相談がぽつぽつあるらしい。。。この辺は自分も未知の領域に踏み込みつつあるので深くは言及できませんが、そのうち考えもまとまることがあるでしょう。ま、なんとなく答えありつつ、まとまらないところですが、今日は久々に知的刺激のある飲みだったちぅことです。ITカンパニーは雇用吸収力なんてほとんど無いよ。若者を安い賃金で深夜までこき使うことしかできないと思うな(偏見だったら正してほしいという希望アリ)。
たぶん、近日になんらかの成果を出す企業で、リスクとリターンのバランスが取れている仕組みは、町の工務店が箱物アミューズメントに目覚めて多様なニーズのうちの一つのニッチを捉えきれる場合じゃないかなと、漠然と思っています。自前で箱を作ろうと思えば作れて、しかも当たるアイディアがひらめいたとき。グルージェントは箱は作れるが当たるアイディアが思いつかず、7年工務店としての道を究めることに時間を費やしてきました。たぶんこれからもギャンブル的に賭けられるものが見つかるまで、変わらないそこそこの感じでいくでしょう。それでいいのだ。だって職人なんだから。