-OSS開発コミュニティに必要なもの(1)

OSS開発コミュニティに必要なものとは何か、ということが見えなかった時期があります。ちょうど2004年11月20日のSeasarイベント「からさわぎFinal」のキーノートで時間をもらってNPO設立論を発表してから、本当に設立申請書を出したのは2005年8月8日でした。11月時点での予定ではすぐさま申請して4月には設立しよう(NPOの設立は申請から縦覧・認証の期間をあわせ法定でほぼ4ヶ月かかる)というところ、実際には2005年12月1日の設立登記になったのですから定量的には8ヶ月の間、悩んでいたことになります。
11月当初は単純に、OSS開発コミュニティには資金が必要、と思っていたため、その実現のための事業計画の中心としてNPO法人がありました。事業を行うには当然法人が必要であると反射神経的に思い込んだため、とにかく法人設立が発表されたわけです。しかし、その後、実際の事業計画を練り始めるにつけ、その困難さが明らかになっていきました。当時、結局おこなうべき事業は「見える化」されませんでした。その困難(と正直には放置)が8ヶ月の理由です。
一方、その後も任意団体としてSeasarファウンデーションが運営されていく過程、まったく資金を必要としないのに知名度が向上し参加する人数やプロジェクトが増えてきました。そんな中(個人的には、たとえばMapleという既成のコミュニティを持つプロジェクトがファウンデーションに加盟したことを再評価してみた中)、徐々にOSS開発コミュニティに必要なものは資金ではなく、もっと別のものであると考えを固めるようになってきたのです。(たぶん、続く)