-装丁家

昨晩、TBS「情熱大陸」を最後10分ぐらい見ました。書籍の装丁家として鈴木成一をとりあげた回だったのですが、影響ふたつ。番組では村上龍「半島を出よ」の装丁を行っているところだったので、村上龍が新作を出したことを知り、早速買ったこと。もうひとつは、今、ソフトウェア開発/会社経営をやってますが、現在の人生(?)が一段落したら、装丁(や同様)の仕事をしたいと思いました。特に今の職業以外のことをしたいとは思ったことがなかったし、ましてやブラブラしたいとも思ったことがなかったのですが、昨日は改まったな。
印象深かった鈴木氏の発言は3つ。衛星写真の値段を確認して「18万?高いな」というところと、新作の装丁テーマの打合せを出版社と電話で話しているところ「ここはやっぱりカエルでしょう」ということ。最後の「仕事は振り返らない」という趣旨の発言です。衛星写真は単純に金額の高い安いの話をしているようには聞こえませんでした。カエルの件は、村上龍の新作の中に、ヤドクガエルというカエルの種類名がでてくるところがあるのですが、このカエルの写真を使うという。カエルの這いつくばったところを使うのだという判断とアイディアを他人に伝える、どちらもユーモラスな、しかし真剣な雰囲気があったように思います。最後の、仕事や過去は振りかえらない。それはそうだなと。
鈴木氏はひとりで装丁をやってるんじゃないんですよ。おそらく法人ではないのでしょうが、ディシプリンのしっかりした組織でやってるんですね。職業を変えないまでも、今のビジョンに新しい刺激があった10分ちょっとでした。