-OSCにて

金曜に、OSC2006にてしゃべりましたが、コミュニティの影響力を株式市場のそれになぞらえて、時価総額という考え方もあるよ、という話をしました。会場の反応では思ったよりは言いたいことが伝えられたかなと思います。でも、繰り返し説明していかないとキチンと伝わらないだろうなと思いますので、これからも様々工夫をしながらお話し続けていきたいと思います。

  • コミュニティの総体は把握することができず、表面的な事象によってのみ測られる。いわば時価総額
  • 時価総額がデカいと運営者はそれなりの施策自由度と役得を得ることができる
  • 観測可能な表面的事象は多分にフリーライダーによって支えられている
  • よってフリーライダーこそを大事にすべきであって、最上の顧客として遇せねばならない
  • フリーライダーは距離感を持ちたいためフリーライダーにとどまっているので、そのフリーライダーに露骨に貢献を求めるのは道理にあわない。そのことをOSSの偉い人達は解ってないようである。
  • コミッタも基本的には顧客であって、わがままなものだ
  • コミュニティの運営というのは、マーケティング・企画・人事・総務・経理・システムなど多岐にわたり、おそらく一般企業であれば相応の出世をしなければ到底やらせてもらないような意思決定を行えるチャンスであり、大いなる実習の場ともなりえるので、将来に野心をもつ人はぜひコミュニティ運営に関わるべきだ。だって手をあげるだけでそれができるし、なお皆に感謝までしてもらえる。
  • 大抵の場合、実際にやってみないと合ってることも間違ってることも、わからない場合が多い

一方で直前までしゃべろうと思っていたけど思い直したことが2つほど。

  • デスマはかくもデスマであって、だからこそ関わるものには唯一のビジネスチャンスであるということ。残念ながら。
  • アジャイルには決定的にビジネスモデルの制約があって、多くの場合、日本でアジャイルという人たちは現実逃避をしているだけであるということ。アジャイルがデスマの特効薬と思っていたり、そう主張している場合はヤバい。たぶんデスマをやりすぎて幻覚を見ている。。。

どちらも敵を無用に多く作りそうなのでやめました。でも、いずれしゃべります。願わくば私が何か勘違いをしているという結論になれば良いのですが。。。まあ、この悲観は真実に近いところをいっちゃってるのかなと思ってます。

-ソースがオープンだから

OSSはソースコードがオープンだから良いのです、という理屈を稚拙と前に言ったかと思いますが、時を経てますますその考えが強まりました。OSSだからロックインされないというのも、道理に合わない話です。多数がOSSにロックインされる様を見てきました。たとえばPHP4にロックインされている人がいたりしませんか?OSSがソースコードをオープンにして多大な利益を得る人と、そこそこ利益を得る人がいます。前者はOSSならでは、オープンだからこそ利益を得ることができるのですが、たぶん人口に占める割合は僅少だと思います。後者は結構多くの割合だと思いますが、オープンであったりすることで利益になるのではなく、たぶん無料だから利益を得る人達なのでしょう。
しかしこれらの別にこんな議論は塵芥のように吹き飛ばしてしまう、とても巨大なグループがあります。それはあるプログラムがオープンだろうが無料だろうがまったく関係無い人たちです。おそらく人口にたいして、9割9分以上がそういう人たちなんじゃないかなと。それはプログラムを書かないし、直接利用もしない人たちです。PCすら持ってないかもしれません。これからの数年にはマリアナ海溝よりも深い「キャズム」超えとしてこのグループに対するアプローチが始まることでしょう。たとえばTuigwaaの価値はこのキャズムを超えることができる唯一のSeasarプロダクトかもしれないところにあります(。。。と、吹き込まれています、誰に?w)。