日本型モノづくりの敗北

ちょっと前、零戦フェアな書棚に写真帯と副題に零戦が入ってたのを、ジャケ買いならず帯買い。結論から言うと零戦はほとんど出てきません。テレビもほどほどで全編にわたって日本の半導体産業の凋落についての本です。で、この本は良書。マジ良書。
読みやすい文体にてなぜ日本の半導体が、DRAMシェア世界一から全撤退になったのか。業界最後の結集企業であるエルピーダとルネサスは苦境を脱せぬまま死んでいったか。おまけにテレビもスマホも、最近の電機メーカーはいいところないまま死んじゃいそうというのを解説していました。しかし、これは電機だけに限らない。実際に、私はウチの会社(GluegentないしSIOS)の問題として自分の問題として、興味深く読めました。数年前ですが自分で信じて「ウチ(Gluegent)は個人戦ならともかく、5対5の団体戦で戦ったらどこよりも(技術力は)強い」なんて言ってもいました。しかしこの本で喝破するところによると、重要なのはイノベーションであり、その意味は技術がどうこうしたというような力ではないということです。すなわち、イノベーションとは爆発的に普及した新製品、であると言う。普及がポイントなのですね。普及していないものはどんな言い訳をしたところでイノベーティブではないと。そして続く最終部ではイノベーションを起こす最も有望な手法は、模倣だといいます。
翻って新しくGlabioという試みをはじめたところですから、私も創造的模倣をもって普及する製品をつくりだす方向に努力したいと思います。このように思う、半導体以外の産業の方々も多くいるみたい。そのへん書かれた筆者自身の記事は以下のURL。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39083
この本の最後に推薦されていた本をポチりました。次はこれを読もうと思います。新しい市場のつくりかた、です。これこそイノベーションの本ですね、タイトルからして。
新しい市場のつくりかた

新しい市場のつくりかた