-サッカー小説

龍時 01-02 文春文庫

龍時 01-02 文春文庫


http://d.hatena.ne.jp/m_pixy/20070425#p3
こちらの村上龍「悪魔のパス 天使のゴール」が取り上げられているのを見て。村上龍は好きなんですが、このサッカー小説はツッコミどころ満載で、私はいただけない。読んでてビジュアルが浮かんでこないのですね。主人公の魅力に乏しいのかな、とも思う。そんな中、故 野沢尚によるこちらの「龍時01-02」は続く「龍時02-03」「龍時03-04」と共に試合のシーンでビジュアルがよみがえる作品です。主人公周りのほかは、現在も活躍中の有名選手が実名で借りてこられていたりして、それも読みやすさの一助になっていると思います。次から次と出てくる敵チームの選手やチームメイトなどに説明要らない連想力が提供されている。一方で、同時代サッカーファンじゃないと「誰だよホアキンって」となってしまうかもしれませんが。残念なのはシリーズ3作目を出した後、著者は亡くなられてしまいました。まだまだ続くストーリーだったのですけど、続きは読めない。しかし、各作品でキチンとクライマックスを迎えて伏線を消化してくれているので、読後に不満も残さないでしょう。私が初めて読んだのは03-04の文庫が出た時にまとめてジャケ買い(表紙の絵で適当に買った)してのことですが、その後時間をおかずに2度ほど読み返しました。今も捨てずに本棚にとってあります。