-ふたたび時価総額論

http://d.hatena.ne.jp/masataka_k/20060319/1142783164
過去のリンクですが。。。昨晩「上層部からはSeasarのような感じにやることを言われている」とOSSに悩むお客様がいらして情報交換しました。私のほうからは総論雑多にお話させてもらいましたが、最後に印象深かったのは以下の質問です。

  • Seasarの影響力は短い時間の間で大きくなったようですが、この影響力は本物なのでしょうか」

鋭い質問です。答えは難しいのですが、たぶんに先のリンクにまとめたような「時価総額」的な考え方で捉えてもらったほうが、「本当にデカいのです、すごいでしょう?」と素直に答えるよりも含蓄あり、どんな答えも根拠があってのものでは無いので、当たらずとも結構なところ芯を食っている、といった感じでしょう。
株式市場には時価総額というおなじみの考え方があります。時価総額何兆円という会社があったとして、前日の証券取引市場において発行済みの全株式をその何兆円というお金で取引されたかというとそんなことはなくて、ほんの数%、場合によっては小数点以下のパーセンテージの株式が、相応の価格形成を行った際に、仮に約定価格を発行済みの全株式数に掛け合わせたのが時価総額です。企業の価値というのは得てして測りがたく、資産価値や株主資本価値など様々指標があるなかで、市場の短期における期待度を金銭表示に直したものとして株式時価総額というのを企業の評価のものさしとしていることが多くみられます。
コミュニティのように法的な裏づけのある公開指標が無い組織の力は実際には到底測りがたく、OSS開発コミュニティの影響力はぶっちゃけて言うと雰囲気としかいいようがありません。しかし皆さんの感覚で周りを見渡してもらった際に、だいたい「こりゃぁ相当なもんだな」と思うようなコミュニティは他の人に聞いても同じように「うん、あそこはたいしたもんだね」ということになるでしょう。その際に、何をもってコミュニティの実力(ここまでの雑な議論で、実力=影響力としているが、まあ突っ込みなしでスルーしてちょうだいw)とするかを無意識に判断しているのではないでしょうか。
羽生さんが中心に仕掛けてきた市場心理への働きかけ、すなわちマーケティング(おっと、これも雑な議論だが、やはりスルー希望w)というのが何かというのが、この皆さん各自の無意識判断に働きかけるところにありました。統計的数字や客観的な基準が皆無なところで、何をもってSeasarをスゴいと思っていただき、ワクワクしてもらい、新しいバージョンのソフトウェアを競ってダウンロードしてもらえるかというところに帰結します。具体的な施策はそれこそびっくりするぐらい小さなものから、長期にわたる計画にいたるまで多岐にわたってきました。(続く、かもしれない)